日本株と外国株はどちらが投資対象として魅力的か(ベトナム株に注目)

目次

最近日本株に魅力を感じなくなってきた

私は2013年から日本株への投資を始めて、それ以降も日本株か仮想通貨(主に2017年)に投資して資産を増やしてきました。ただ、最近日本株にはあまり魅力を感じなくなってきたので、将来有望な投資先を探しています。

 

何故日本株に魅力を感じなくなって来たかと言うと、日本という国自体の経済成長が停滞しているため、各企業の業績が今後大きく向上していくことは想像に難しく(当然大きく成長する企業も中にはあると思いますが)、業績よりも思惑重視の傾向が強まることで、株式市場のマネーゲーム感が日々増しているように感じていることが理由です。

 

個人的にはそういったギャンブル要素の強いものは投資対象としてあまり魅力を感じません。

■引用元:日本の経済成長率の推移

http://ecodb.net/country/JP/imf_growth.html

※本記事全般において引用元の世界経済のネタ帳様には掲載許可を頂いています

 

経済成長が停滞している割に株式市場(日経平均株価)は金融の異次元緩和政策により、2013年頭の1万円程から2018年には2万4000円を超えるという約2.4倍の高成長がありました。

 

しかし、金融の異次元緩和で行っていたことは日銀による株式市場への介入(ETF買い)であり、2017年度だけでも6兆円を超える買い入れがあったとされています。

 

実際の経済成長をほとんど伴わない日銀の異常な介入による株価の吊り上げは言ってしまえば、日本株式市場のドーピング状態のように感じており、日銀の買った莫大なETFがいずれ売り(最初は買い入れ額の縮小からだと思いますが)に転じることを考えれば、日本株式市場が成長を維持出来るとはあまり思えません。

 

また、実際に売りの予兆が観測されれば市場がパニック状態となり株式市場が大幅下落するリスクもあります。

 

私が日本株に魅力を感じなくなってきた理由をまとめると

  1. 日本経済自体が停滞しているため企業も大きな成長が見込めない
  2. 業績よりも思惑重視のマネーゲーム感が増している
  3. 今の株式市場がドーピング状態で成長が維持できると思えない
  4. 日銀がETF売りを始める予兆があると大幅下落のリスクも高い

のようなものになります。まぁ、経済成長が鈍化するのは先進国では全般的にそうですが(日本は特に鈍いですが)、3,4の問題を考慮するとやはり投資対象としては魅力の薄い市場かなとは思います。

 

とは言え暫くは今の政策が続くように見えますので、逆に政策が終わるまでは日銀が買い支えるため一番安心して買える市場かもしれません(いつ終わるかは知りません)。

 

と言うことで本章では日本株はあんまり魅力感じなくなって来たな~という話でした。

 

そういった背景を踏まえて今後は他の投資先を検討しなければいけないという理由から、SBI証券で取り扱っている外国株について調べ始めました。

 

外国株以外の投資対象として金や仮想通貨も有りだとは感じているのですが、今後の成長性や税金面を考慮すると新興国の株が一番魅力あるかなと考えました。

 

実際に本当に魅力があるのかは次の章で説明します(仮想通貨も成長性はあると思いますが税金面で投資対象としては一段落ちる印象です)。

外国株と日本株の比較

実際に日本株とSBI証券で取り扱っている外国株について色々なデータをまとめたので下の表を見てください。ちなみにSBI証券で取り扱っていない外国株は購入のハードルが上がるので本記事では取り上げません。

 

■SBI証券で取り扱っている外国株に関するデータ(2017年末時点)

国名 人口(人) GDP(円) 経済成長率 株式市場規模(円) SBI取扱銘柄数
日本 1億2600万 546兆 1.7% 684兆 3729
アメリカ 3億2500万 2130兆 2.2% 3533兆 1421
中国 13億9000万 1321兆 6.8% 958兆 1420
韓国 5100万 169兆 3.0% 194兆 61
ロシア 1億4400万 167兆 1.5% 68.5兆 32
ベトナム 9300万 24兆 6.8% 12.7兆 332
インドネシア 2億6100万 111兆 5.0% 57.2兆 31
シンガポール 560万 35兆 3.6% 86.5兆 44
タイ 6900万 50兆 3.9% 60.2兆 67
マレーシア 3200万 34兆 5.9% 50.0兆 44

 

■各データ引用元

【人口】
http://ecodb.net/ranking/imf_lp.html
【GDP】
http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpd.html
【経済成長率】
http://ecodb.net/ranking/imf_ngdp_rpch.html
【株式市場規模】
https://data.worldbank.org/indicator/CM.MKT.LCAP.CD
【SBI取扱銘柄数(2018年5月26日時点)】
http://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/stock/pop6040_usequity_list.html
※1ドル=110円計算

上の表を簡単に説明しておくと、左側4列が対象国についての基本データで右側2列が株式市場の規模とSBI証券における取り扱い銘柄数です。

 

経済成長率の比較

前の章でも説明したことがデータでも分かる通り、上記表の中では日本はロシアの次に経済成長率が鈍いです(2017年)。アメリカも先進国故に経済成長率は鈍いですが、日本・ロシアよりはマシですね。

 

特筆すべきは中国(6.8%)・ベトナム(6.8%)・マレーシア(5.9%)の経済成長率でしょうか。経済成長率(GDP成長)と株式市場は直接的な相関は特にありませんが、現実的に考えて国の経済規模が増せば、それに伴って自ずと株式市場も拡大するのが自然なことと考えます。

 

つまり、中国・ベトナム・マレーシアは経済成長が今後も続くのであれば、株式市場も同じように拡大していくのが自然と予想されます。特にベトナムは人口も多いため、今の低めのGDPからであれば継続的な成長が期待できると感じます。

 

GDPと株式市場規模の比較

次に注目すべき点はGDPと株式市場規模の比較です。先ほど述べたようにGDPが伸びれば株式市場規模も伸びるのが自然であろうというのが私の考えですが、直接的な相関は存在しないため、既に期待が先行していて株式市場が割高な可能性を考慮しなければなりません。

 

それを考慮しないと投資対象として経済成長の恩恵を受けれなくなることがあり得るためです。

 

相関が無いため何を持って今の株式市場が適性かどうか判断するのは難しいのですが、表を見ていると先進国やシンガポール・タイ・マレーシアといった直近の発展著しかった国々等はGDPを超えた株式市場規模となっています。

 

この数字を見るとGDPを超えた株式市場規模は今後の期待を既に内包した水準に近いのではないかと感じます。単純に上場銘柄数が多くて株式市場が肥大化している国もあるかもしれませんが。

 

その一方でGDPと比較して株式市場規模が小さいのは中国・ロシア・ベトナムとなります。その中でもGDPの半分程度の市場規模しかない、ロシア・ベトナムが特に小さく感じます

 

ただし、ロシアは経済成長率が鈍いため、今後の失望先行で買われていない可能性があるので一概に割安水準とは言い難い気がします(他にも国際的な問題もありそうですし)。

 

ベトナムは経済成長も表の中で最高のため、現状の株式市場規模はかなり過小評価されている水準であるように感じます。

 

SBI証券の取扱銘柄数の比較

そして最後に注目すべき点はSBI証券での取扱銘柄数です。どれだけ期待の出来る市場でも取扱数が少ないと選択肢が少なすぎて適切な銘柄選びが出来ない可能性があります。

 

個別銘柄ではなくETFを買うという選択も有りかもしれませんが、成長市場ではETFよりも個別銘柄を多数買っておく方がパフォーマンスが高いことも多いのでどちらが良いとは一概に言えないと考えます。

 

取扱銘柄数は自国である日本と市場の大きい米国・中国が当然多いですが、何故か株式市場規模が一番小さいベトナムが4番目に多いです。これは本当に何故なんでしょうか・・・、少なくともベトナム株が買い易いのは間違いないことですが。

 

比較結果

長くなりましたが、上記の内容が日本株と各国株をデータで比較した場合の私の感想です。総合的にみるとロシア株以外は総じて日本株よりは魅力的に感じました(シンガポール株は若干割高感がありますが)。

 

そして外国株を調べた中で最も魅力的に感じたのはベトナム株です。ベトナム株の好印象だった点をまとめると以下になります。

  • 高い経済成長率
  • GDPから見た株式市場規模が過小評価
  • SBIでの豊富な取り扱い銘柄数
  • 人口が多いため経済規模が継続的に拡大しやすい

ただ本章では基本データを比較しただけの印象を語っていますので、当然外国株を買う際にはデメリットも存在します。それらのデメリットについて次の章で説明します。

 

外国株は投資対象として魅力的だが・・・

前の章では外国株(特にベトナム)が日本株と比較して魅力的な投資対象であると語りました。ですが実際に購入するとなると外国株故の様々な問題がありますので、それらを加味して投資対象を選択しなければ思わぬ後悔をすることもあると思います。

 

外国株の代表的な問題(デメリット)は以下のようなものが考えられます。

  1. 売買手数料が高い
  2. 為替リスクがある
  3. 政情リスクがある
  4. 日本語の情報が手に入り辛い

 

売買手数料が高い

1の売買手数料についてはSBIの手数料ページで確認できます。日本株の手数料が0.1%以下が基本なのに対して、米国株で0.45%、中国株で0.26%、韓国株で0.9%であり、それ以外の国は軒並み1%以上となっています。

 

特にベトナム株が最も手数料が高く、税抜きでも2%と日本株と比べると非常に高いです。そのため頻繁な売買は向いておらず、一度買ったら数年単位でホールドする長期投資の方が良いでしょう。

 

尚、売買時の税金についてはSBIのQ&Aに記載の通り、基本は日本株と同じ申告分離課税です。

 

為替リスクがある

2の為替リスクは非常に厄介であり、恐らく外国株への投資難易度を引き上げている要因の一つだと思います。

 

極端な話ですが私が魅力を感じているベトナム株に投資し、想像していた通りに数年で株式市場規模が大きく拡大し、私の投資額もベトナム法定通貨上で2倍に膨らんだとします。

 

ですが、ベトナム法定通貨が円建て見た場合に2分の1(大幅な円高)となっていた場合、株を売って円に換金した際は投資額と同じ額の円にしかならないという事態が有り得ます。

 

実際に割と最近でもアルゼンチンやトルコで大幅な法定通貨安がありました。

■引用元:アルゼンチン・ペソ/円の為替レートの推移

http://ecodb.net/exchange/ars_jpy.html

上の画像がアルゼンチン法定通貨のチャートですが、1997年の121円から2017年には6.7円と20年で約18分の1に暴落しています。大幅に安くなった2015年の13円からもたった1年で7.3円と2分の1近くに下落しており、凄まじい値幅があることが理解出来ると思います。

 

勿論先に挙げた国の通貨は極端な例ですが、為替リスクはどの国でも有り得ることで、例え成長国だと思って投資していたとしても、思わぬ結果が待ち受けている可能性があります。

 

政情リスクがある

3の政情リスクについては日本で暮らしているとあまり大きく感じないかもしれませんが、世界的規模で見ればシリア情勢であったり、北朝鮮問題であったり、イギリスのEU離脱であったり、様々な場所に火種が転がっています。

 

それらの問題が噴出した時には予想だにしていない該当国の為替暴落や株価暴落、もしくは買っていた個別銘柄に関する事象(例えば主要輸出国との関係悪化)であれば、それらの関連株が大暴落する等も十分あり得ます。

 

日本のような島国と違ってほとんどの国は国土を他国と接している関係でどうしても政情リスクは日本と比べて多い傾向がありますね。

 

日本語の情報が手に入り辛い

4の日本語の情報が手に入り辛いは地味に厄介な点だと思います。他に紹介しているような各種リスクが顕在化する予兆が事前にあり、該当国で話題になっていたとしても、日本語でその情報が手に入るとは限らないため、リスクが顕在化してから(手遅れになってから)気付くということが有り得ます。

 

米国株や英国株であれば英語が出来る人なら英語で情報収集していれば大抵の事態に対処できると思いますが、それ以外の言語は恐らく理解出来る人の方が少なく情報集めに苦労すると思います。

 

特に新興国系の株は該当国の言語でもあまり精緻な情報は手に入らないんじゃないかという気もしますね。個別銘柄を買いたいという場合も該当銘柄が本当に将来有望か調べるのは言語が理解できてないと難しいでしょう(翻訳も万能ではありません)。

 

外国株はリスクも高い

ということで本章では外国株の主なリスクについて説明しました。上記以外でも各国固有のリスクがいくつもあると思いますので、単純に成長市場だから海外の株を買った方が良いという安直な考えでは大きな失敗をする可能性が高く、私は外国株が低リスクとは口が裂けても言えないです。

 

今までの章で説明した内容をまとめた最終的な私の結論については次の章で述べます。

 

まとめ

前章まででは日本株よりも外国株の方が投資対象として魅力的か?という観点で調査した結果と私の感想を述べました。

 

私の最終的な結論としては、株式市場単独としてみた場合は多数の国が日本よりも魅力的であるが、いずれもリスクは高くなる傾向があるため一概に外国株が魅力的な投資対象とは思いません。

ただ、それでもリスクを十分に考慮を入れつつ、最も市場として期待できるベトナム株に投資するのが良いのではないかと考えました。

 

上記結論になった理由はやはり日本市場自体もそれなりのリスクが有り、かつ今後の大きな期待が出来ないことと、ベトナムはGDPや人口等を考慮してもマレーシアくらいの株式市場規模(50兆円)は数年程度で簡単に行くのではないかと感じており、そうなれば単純な市場成長だけでも大きなリターンが期待できることになります。

 

新興国故にリスクは他の国よりも大きいと思いますが、リスク・リターンを天秤に掛けた時にベトナム株の期待値が最も高いと考えたというのが私の結論の理由です。

 

いずれにせよ外国株への投資はハイリスク・ハイリターンの傾向が強くなるのは間違いないと思いますので、投資用資金全力というのはあまりお勧めしません。私に関しても投資資金の半分を日本、半分をベトナム株という配分で暫くは進めようと考えています。

 

ただ、外国株を買うタイミングについては少し様子を見た方が良いかもしれません。特に本記事執筆時点では米国の利上げに端を発したドル高と新興国株式市場からの資金流出が起きている状態であり、ここで止まるのか更なる大暴落が始まるのかは予想できません。

上がベトナム株価指数の10年チャートですが、特にベトナム株は2017年に大幅高騰していた経緯がありますので、本格的な暴落が始まった場合他の外国株よりも下げ幅が大きい可能性もあります。

 

それでも私は本記事で述べた通り、ベトナム株を含む外国株には大変魅力を感じていますので、今後の市場の動向を確認しながら買っていきたいと考えています。

 

ということで本記事では日本株と外国株の市場比較を行い、最終的な結論としてはベトナム株が投資対象として最も魅力的であるという話をさせていただきました。

 

本記事では各データの比較が主だったため、各国の政治事情や市場事情について何も解説しておりませんが、今後の記事ではベトナムという国自体に焦点を当てた内容とベトナム株の中でも特に有望と感じる個別株についての紹介記事を書きたいと思います。

 

それでは長くなりましたが、本記事をご閲覧いただきありがとうございました。データでおかしい点等が有る等のご指摘やご感想等あれば問合せページの方法でご連絡ください。

 

【追記(2018/6/15)】本記事の続きでベトナム株についての市場調査した内容の記事を書きました↓。

【前編】ベトナム株に投資(購入)しても大丈夫なのか?今後伸びる産業は?

 

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