【後編】ベトナム株に投資(購入)しても大丈夫なのか?今後伸びる産業は?
目次
前回までの振り返り
本記事はSBI証券で取り扱っている外国株の中で私が最も魅力的と感じているベトナム株の市場調査を行った結果と、それに対する私の所感を述べているものです。前回までの流れは以下の通りです。
・ベトナム株は魅力的だが安心して買える市場なのか?特に成長している産業は何なのか?という観点で調査した記事の前編(下の記事)
・上記記事の中編(下の記事)
前の記事(中編)ではベトナムの財政状況に注目して調べ、公的債務残高の増加による財政不安の懸念はあるものの、現状では経済成長鈍化の兆しは見えておらず、財政収支以外の観点からリスクが顕在化してからの対応でも致命的な状況は回避出来るのではないかと解説しました。
今回の記事はその続きで、ベトナム政府の出している成長戦略を確認することで伸びている産業以外にも注目しておく分野は無いのか、ベトナムの株式市場の構造を確認することで投資における注意点等を解説していきたいと思います。
尚、本記事では以下引用元に基づいて解説していきますので、ご承知おきください。
引用元:ベトナムの社会・経済戦略概要(在ベトナム日本国大使館)
http://www.vn.emb-japan.go.jp/jp/economic/economic_vietnam_senryaku.html
引用元:社会経済開発5か年計画(2016-20年)の全文(ベトナム語)
https://vietstock.vn/2016/05/nghi-quyet-ve-ke-hoach-phat-trien-kinh-te-xa-hoi-2016-2020-761-477466.htm
ベトナムの成長戦略
ベトナム経済における成長戦略としては2011年の前半に共産党大会で採択された、『社会経済発展10か年戦略(2011-20年)』(10か年戦略)と2016年前半に国会で承認された『社会経済開発5か年計画(2016-20年)』(5か年計画)が挙げられます。
2011年に採択された『10か年戦略』に基づいて国家運営した2015年までの結果評価を踏まえたうえで、残りの5年についてより具体的な内容に落とし込んだのが『5か年計画』という位置付けです。そのため、直近の成長戦略として『5か年計画』の方を確認していきたいと思います。
ちなみに本記事は引用元の大使館から公表されている各指標をほぼそのままに解説します。引用元に記載している原文の方もGoogle翻訳で読んでみましたが、在ベトナム日本国大使館から公表されている内容と基本的には同じです。強いて言うなら原文の方が表現が色々細かいという程度で、大使館の発表内容は本当に良くまとまっていると思います。
5か年計画における主な全体目標
『5か年計画』における全体的な目標は以下とされています。
へぇ、そうなんだ~くらいの印象ですが、敢えて株式市場に影響が強そうな個所を挙げていくなら、『早急に近代的な工業国になるための基礎作り』が一番目に付くでしょうか。前編の記事では産業の中で『工業』が伸びており、特に『製造業』の伸びが良いと解説しましたが、この目標に沿って発展しているのだろうなと感じます。
目標以外にも具体的な指標や解決策等も挙げられているので順に見ていきたいと思います。
主な経済指標
『5か年計画』において、経済に関わる主な指標は以下とされています。
- 2016-20年の年率平均経済成長率:6.5‐7%
- 2020年の産業構造(対GDP比):鉱工業・サービス業が85%
- 2020年の一人当たりGDP:3,200-3,500ドル
- 年平均の社会開発投資(対GDP比): 32-34%
- 2020年の財政赤字(対GDP比):4%以下
- 2020年の消費者物価指数の上昇率:5%以内
基本は政府の目標値という印象ですが、最も注目したいのは産業構造のGDP比を『鉱工業・サービス業が85%』としている点かと思います。
2016年時点でベトナムの工業とサービスにおけるGDP比率は73.6%(現時点だと75~80%程度?)とされていますので、ベトナム政府の方針としては『鉱工業・サービス業』をもっと伸ばしていきたいということになるかと思います。
引用元:ベトナム社会主義共和国・基本データ(VIETJO)
https://www.viet-jo.com/home/basic.php
主な社会指標
『5か年計画』において、社会に関わる主な指標は以下とされています。
- 2020年の総労働人口における農業労働人口:40%以下
- 2020年の訓練を受けた労働者の割合:65-70%
- 2020年の都市部における失業率:4%以下
- 2020年の人口1万人当たりの医師人数,病床数:9-10人,26.5病床
- 2020年の国民保険加入率:80%
- 年平均貧困世帯削減率1-1.5%
ここの指標は元になるデータを集めるのも難しいので何とも言い辛いのですが、農業労働人口を40%以下という指標を掲げていることを考えると、やはりベトナム政府の国家運営の方針としては農業から工業へという流れを強く意識しているように見受けられますね。
ちなみにジェトロ様の2017年1月レポートだと、今はベトナムの人口の50%弱が農業関連の労働者とされています。
引用元:ベトナム農業関連ビジネスパートナー発掘調査(2017年1月)(JETRO)
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2017/02/2ed0c5950f5e3966.html
主な環境指標
『5か年計画』において、環境に関わる主な指標は以下とされています。
- 2020年の森林被覆率:42%
- 2020年の国民の清潔かつ安全な水へのアクセス:都市部95%,農村部90%
森林の被覆率については環境省のサイトを見たところ、ベトナム戦争で多く失われた森林を国として保護する動きが強いようです。今後も方針は長く続きそうなので、森林保全に取り組む企業が有れば株を買ってみるのも良いのかもしれません。安全な水についても同じで専門にしている企業が有れば買ってみたい所です。
引用元:世界の森林と保全方法 ベトナム社会主義共和国(Forest Partnership Platform)
http://www.env.go.jp/nature/shinrin/fpp/worldforest/index4-6.html
目標・指標を達成するための解決策
上記までで述べた目標や指標を達成するための解決策は以下とされています。
- 社会主義志向の市場経済発展,マクロ経済の安定,社会経済発展のための環境整備
- 成長モデル転換と結びついた経済再構築,生産性の向上,経済の競争力強化
- 突破戦略の基づいたインフラ整備
- 人材開発及び科学技術の向上
- 経済発展と調和した持続的な文化・社会発展,人々の生活の向上
- 積極的な気候変動対策,災害防止対策,天然資源管理能力,環境保護の強化
- 汚職及び浪費の防止
- 国家管理の効率性向上,国民の自由・民主主義の保障
- 国防強化,独立・国家主権・領土の保全,政治的及び社会的安定
- 対外活動の促進,積極的な国際参入
どれも具体的なことが良く分からないという感じですが、この10の解決策については引用元に記載していた原文の方で詳しい内容が記載されています。
Google翻訳して読んだ感じだと、株に関係ありそうなワードとして、
といったものが挙げられていました。
明確な指標が存在しないものが多いのでベトナム政府の本気具合がイマイチ掴みにくいというのが事実ですが、少なくともこういった方針で目標を達成していくという方向性は分かるので、上記のワードが絡むような企業も発展していきそうに感じますね。
実際に成長している産業
ちなみに前編の記事で紹介したベトナムの成長産業の内訳で、キャピタル・パートナーズ証券株式会社様からより詳細なレポートが出ていましたので合わせて紹介しておきます。
上の画像が産業別の成長率の推移です。これは前編で紹介した『工業』=『工業及び建設』、『農業』=『農林水産業』の読み替えでほぼ問題ないと思われます。前編で紹介した通り、『工業及び建設』と『サービス』の成長率が高く、『農林水産業』が低いという結果となっています。
『農林水産業』は上の画像の通り、近年は『漁業』の成長率が上がってきています。これは『5か年計画』で『海洋経済セクターを強く発展』という意向があるからかもしれません。林業も同じく『5か年計画』やその前から森林保全の動きが強そうなこともあってか高成長を維持していましたが、近年は鈍化気味のようです。
『農林水産業』の中でも『農業』は低成長率を維持し続けており、『5か年計画』の内容を鑑みても今後大きく伸びる要素はほぼ無いであろうと感じます。
『工業及び建設業』は上の画像の通りですが、前編の記事と少し構成が異なっていて、『工業』は前編の『電気ガス』+αという感じでしょうか。ただ、重要な点は変わっておらず『製造業』が特に成長していて、『鉱業』の成長は非常に悪化しているといることが分かります。
『建設業』についても『5か年戦略』で今後更にインフラ整備は続けていくとなっているので悪くは無いと思いますが、中編で紹介した公的債務残高問題によって公共事業は削減される可能性が有るので、若干懸念がありますね。
『サービス』は上の画像の通りですが、『卸売及び小売業』と『ファイナンス業』と『観光業』が高成長となっています。特に『観光業』の成長率の上がり方が印象的ですが、『5か年戦略』に特に対応しそうなものは見当たりません。私が見つけられないだけかもしれませんが。
『ファイナンス業』は『金融市場の再編と密接に関連して健全な証券市場』という意向の影響があるかもしれませんね。『卸売及び小売業』も特に対応しそうなものは見当たりませんが、冷静に考えてベトナムの人口増と労働者の給料が増加傾向にあるという社会背景を考えれば、伸びるのは当然かもしれません。
『サービス』の中では『不動産業』が若干成長が鈍いですが、今後ベトナムの経済発展が続くなら不動産の価値は益々上がっていきそうなので衰退も無さそうな印象はあります。
引用元:ベトナム株式市場投資戦略 2018年版(キャピタル・パートナーズ証券株式会社)
http://www.capital.co.jp/jp/research/vietnam/pdf/V_Vietnam_Strategy_2018_180105_f1.pdf
ベトナムの成長戦略まとめ
今回はほぼ『5か年計画』の中身を見ていくことで終始する感じになってしまいましたが、株式市場と特に関係がありそうな内容をまとめると以下のような印象です。
【好印象】
- ベトナム政府は早急に近代的な工業国となることを目指している
- ベトナム政府は鉱工業・サービス業を更に発展させる方針
- 森林や水などの環境保全の動きが強い
【やや好印象】
- 金融市場と証券市場が今後発展する可能性が有る
- 海洋経済セクターが今後発展する可能性が有る
- 住宅・インフラ整備が今後も続くことが期待できる
- 医療・製薬業界が今後発展する可能性が有る
- 防衛・安全保障が今後発展する可能性が有る
【悪印象】
- 農業は対GDP比でも労働者比率でも今後低下が見込まれる
『好印象』にはベトナム政府が前面に押し出しているものを挙げています。『やや好印象』には指標もないし強調もされてないが、原文に記載があり発展が予想されるものを挙げました。『悪印象』は成長戦略上発展があまり期待できない農業について挙げています。
こうして並べると基本的には前編の記事で述べた通り、株式投資する場合は『工業』と『サービス業』の産業に関連する企業を中心に投資し、『農業』の産業に関連する企業は避けるという方向性で問題ないように感じます。
ただ、更に踏み込んだ投資をするのであれば、上記でやや好印象としている『金融や証券』関連の企業や、『海洋』関連の企業、『インフラ整備に関わっている建設』関連の企業、『医療・製薬』関連の企業、『防衛・安全保障』関連の企業などを意識して買っていくのも良いかと思います。
また、実際に伸びている産業として、『農林水産業』なら『漁業』、『工業及び建設業』なら『製造業』と『建設業』、『サービス』なら『卸売及び小売業』と『ファイナンス業』と『観光業』に該当する企業に投資するという考えも有りかなと思います。
ベトナムの株式市場
続いてベトナムの株式市場の特徴を見ていきたいと思います。ベトナムには株式市場が3つ有り、それぞれを数字で見ると以下の通りです。
市場 | 銘柄数 | 時価総額 | 売買代金(1日) | 備考 |
ホーチミン証券取引所 | 約360 | 約2900兆VND(14兆円) | 約3兆VND(142億円) | 日本で言う「東証一部」に近い市場 |
ハノイ証券取引所 | 約370 | 約192兆VND(9300億円) | 約4200億VND(20億円) | 日本で言う「東証二部」に近い市場 |
UPCoM | 約730 | 約656兆VND(3.1兆円) | 約1.4兆VND(70億円) | 日本で言う「マザーズ」に近い市場 |
引用元:ベトナムの各株式市場(VIET KABU)
https://www.viet-kabu.com/stock/hcm.html
引用元:UPCoM時価総額と売買代金(VIET_JO)※UPCoMはデータが無いのでニュースベース
https://www.viet-jo.com/news/economy/180628230620.html
※売買高は相対取引を含まず、1VNDあたり0.0048円換算
数字で見ると、ベトナムの株式市場は『ホーチミン証券取引所』が時価総額も売買代金も圧倒的に多いことが分かります。ただ、それでも日本ならトヨタが1社で23兆円の時価総額が有るので、日本と比べると非常に小さい市場であることは間違いありません。
実際自分で投資することを考えると流動性の観点から『ハノイ証券取引所』は余程の大柄銘柄以外は触れないように感じます。『UPCoM』はそもそも日本の証券取引所からは買えない(と私が思っているだけかもしれませんが)はずなので、売買するのであれば『ホーチミン証券取引所』に上場されている銘柄がメインとなるでしょう。
ちなみに詳しくは解説しませんが、それぞれの証券取引所の上場基準についても『ホーチミン証券取引所』が最も厳しく、『UPCoM』が最も緩いです。ただでさえ新興国の株という時点でリスクが高いので、更にリスクを増大させるよりは無難に『ホーチミン証券取引所』の上場銘柄を売買する方が良いかと考えます。
証券取引所以外でもベトナムの株式市場について色々知っておいた方が良いこともありますので、以下の章からそれらについて解説します。
引用元:ベトナムの各証券取引所の上場基準(VIET KABU)
https://www.viet-kabu.com/qa/qa.php?qa=2
ベトナムの株価指数
この記事を読んでいるような人は既にご存知だと思いますが、ベトナムの株式市場では日本の『日経平均株価』に相当する株価指数が存在します。
その株価指数は『ベトナム株価指数(VNインデックス)』と呼ばれ、『ホーチミン証券取引所』の全銘柄の時価総額を加重平均で算出した指数です。日経平均株価のようにベトナムの株式市場の状態を表すときに頻繁に用いられますが、算出方法的には日本の『TOPIX』の方が近いですね。
上の画像が『VNインデックス(VN指数)』の10年チャートですが、2017年開始時点で700前後程度だった指数が2018年の頭には1200程度と大きく高騰しており、去年ベトナム株に投資していた人は市場成長だけでも60%以上のリターンが見込めたはずです。
ただ、その後はアメリカの利上げに端を発したと思われる新興国からの資金流出が続いており、現在はVNインデックスも1000を割った状態で不安定な推移を続けています。もし今の状態でリーマンショック級の経済危機が訪れた場合、ベトナムは2017年に大幅高騰した経緯があるため下落率も他国と比べて大きなものになることが予想されます。
ただ、これまでの記事でも解説してきた通り、ベトナムの経済成長自体は世界的にも屈指の高成長を続けており、国としても世界的な金融危機の影響は受け辛い性質があるため、下落後の回復も早いのではないかと考えます。
どのタイミングで投資するかは個々の判断次第ですが、私は今の経済不安の動向を見ながら資産の一部をベトナム株に換えていくつもりでいます。
尚、ベトナムの株価指数としては『VNインデックス』以外にもハノイ証券取引所の株価指数である『HNXインデックス』等もありますが、『VNインデックス』以外はほぼ使われるのを見ませんので、そこまで気にしなくても良いかと思います。
ベトナム株式市場の格付け
ベトナムの株式市場の動向を調べていると、今後ベトナム市場は『MSCI指数』の格付けが『フロンティア』から『新興国』へと引き上げられることが予想され、更なる資金流入が期待できるという記事が多くあります。
先ず『MSCI指数』についてですが、これは米国のMSCI社が算出・公表する株価指数のことで各ジャンルごとに様々な指数があるものです。『MSCI指数』の中では構成国が『先進国』『新興国』『フロンティア』等の格付けで分類されています。
『MSCI指数』は世界の機関投資家の多くがベンチマークとして利用しており、構成国の格付けが上がればそういった機関投資家から多くの資金流入が期待できるという話です。それ以外でも単純に大手の格付けによって市場が安定した発展が期待出来るとなれば、一般投資家の参加者も増えていくと予想されます。
もっと『MSCI指数』を詳細に知りたいという方は以下にMSCIの最新ハンドブックへのリンクを置いておきますのでご確認ください。
引用元:MSCI指数ハンドブック(MSCI Inc. 東京支店)
https://www.msci.com/documents/1296102/0/MSCI%E6%8C%87%E6%95%B0%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88+%28iShares+ETFs%29.pdf/58492f4a-6c8c-4c48-8287-501a1ce59cdc
私は疑り深いのでこういう格付け関連の話が出た場合に真っ先に思うことは、『本当に格上げされるのか?』と『格付けが上がった場合に株式市場はどう動くか』ということです。それらの問いについては、松井証券様が公開しているレポートに一定の解が有りました。
ベトナムの証券取引所は『MSCI指数』の格上げを目指して市場改善に既に取り組んでおり、具体的にMSCI社から以下の主な改善事項を指摘されているとのことです。
- 外国人投資家の保有比率上限緩和(実施済)
- 英語のディスクロージャーの充実
- 浮動株比率の増加(10% → 15%)
これらの改善がいつ頃完了するかは分かりませんが、ベトナムが格上げを目指して動いているのは間違いなさそうで、かつMSCIから具体的な指摘を受けて改善に取り組んでいることを考えれば、それなりに期待は出来るのではないでしょうか。
また、実際に近年『MSCI指数』で構成国の格上げのあったアラブ首長国連邦とパキスタンを例に取って、格上げ発表から格上げが実施された後の株価指数推移も解説されています。
上の画像で解説されている通り、格上げ発表がされてから実際に格上げ実施されるまでの約1年間はどちらも株価は右肩上がりで推移しています。ただ、実際に格上げが実施されると期待を織り込んでいたためか、次第に下げていくという流れが見て取れます。
ベトナムが実際に格上げされるか、または格上げされたときに他の国と同じ動きとなるかは未知数ですが、確実にプラスの要因であるとは思いますので、格上げ期待で今から買っておくという戦略は間違いではないように思います(格上げ発表されてから買うのも有りだと思いますが)。
引用元:ベトナム成長株 インカムファンド(松井証券)
https://www.matsui.co.jp/service/fund/feature/vietnam-growth/
ベトナムの株式市場まとめ
ベトナム株式市場について解説した内容をまとめます。
【好印象】
- ホーチミン証券取引所が最も時価総額も売買代金も大きく、上場基準も厳しいため安心して買いやすい市場
- VNインデックスは先行き不透明だが、下落に転じたとしてもその後の回復は早いと思われる
- MSCI指数の格上げによって、株式市場への資金流入が期待される
【悪印象】
- ホーチミン証券取引所以外の市場の銘柄は流動性の観点から買い辛い
- VNインデックスは2017年に大きく高騰した背景があるため、下落に転じた場合に下げ幅が大きい可能性がある
まとめるとベトナムの株式市場自体は注意すべき点は少なく、ホーチミン証券取引所の銘柄を売買する限りは大きな問題も無いのではないでしょうか。
懸念すべきは2017年の大きな高騰の反動が今後どの程度になるかですが、これは世界経済の動向次第という風に感じます。ですがベトナムはGDP比で見た場合の株式市場は未だ過熱感の無い市場でありますので、ベトナムが高成長の経済発展を続ける限りは、波があったとしても株価は上を目指す可能性の方が高いと考えています。
最後に
ようやく前編、中編、後編と長々と続いたベトナムの市場調査の記事を書き終えることが出来ました。正直細かい部分では未だ色々書きたいことが有りましたが、収集付かなくなりそうなので一旦ここまでで区切りとします。
ここまでの記事全般を振り返ると、やはりベトナム株は新興国故のリスクがそれなりにあることが分かりました。ただ、それ以上に今後発展する要素が多く、株式投資をする対象としてみた場合は、当初見込んでいた通り非常に魅力的な市場だという結論は変わりませんでした。
私の結論は上記の通りですが、本記事を読んだうえでベトナム株に投資するかどうかは個々で判断して下さい。投資は今目に見えているものだけでなく、全く予期していなかった要因が突如発生して見込みが大きく狂うことも多々ありますので、ベトナム株が本当に今後私の予想通りに発展していくかは保証できません。
本記事の後は前から告知している通り、ベトナム株の個別銘柄について調査・検討を行い、私が今後伸びるであろうと思う銘柄について記事にしていきたいと思います。
またブログ更新まで時間が開いてしまうかもしれませんが、今後も興味があれば時々本ブログを閲覧いただければ思います。それでは長くなりましたが本記事を閲覧いただきありがとうございました。