ベトナム株のおすすめ銘柄紹介①(製造業編)

目次

ベトナム株の製造業関連銘柄への投資について

私は本記事を執筆する前に日本の経済成長低迷と異次元金融緩和の出口を考慮すると今後の日本株にはあまり期待できず、それなら強い経済発展をしている外国の株式市場に投資する方が良いのではないだろうかという記事を書きました。

 

そして実際に外国株の中でも特に魅力的な市場であったベトナム株については3記事に渡り、ベトナムの政治・経済・財政・成長戦略・株式市場等について調査・解説し、ベトナム株が非常に将来有望であることに間違いないと判断しました。それらの記事については本リンク先にまとめているので興味があれば閲覧下さい。

 

本記事はそれらの続きでベトナム株は確かに市場として魅力的ですが、銘柄選びを誤ってしまうと市場成長の恩恵をほとんど受けれないという事態になることも十分あり得るため、今回はベトナム株の中でも製造業関連銘柄の中で特に将来有望そうな銘柄を確認していきたいと思います。

 

なぜ製造業関連銘柄かと言いますと、以前の記事でベトナムは政府の成長戦略として『早急に近代的な工業国になるための基礎作り』を掲げており、実際にセクター別の成長率を見ても『製造業』がベトナムで最も成長している産業だからです。

 

つまり、『製造業』関連の銘柄は業績拡大に伴って今後更に会社の規模が大きくなっていくと予想され、単純な市場成長の恩恵以上のリターンが見込める可能性が非常に高いと言えると思います。

 

では、さっそく次の章からベトナムの製造業関連銘柄について見ていきたいと思います。

 

SBI証券で取り扱っているベトナムの製造業関連銘柄の一覧

以前の記事で個別銘柄をスクリーニングで洗い出した時と同様に以下の条件でベトナムの製造業関連銘柄を洗い出したいと思います。

 

【ベトナム株の製造業関連銘柄洗い出し条件】

  • ホーチミン証券取引所の上場銘柄である
  • SBI証券取引所で取り扱っていること
  • 業種が「製造業」であること

 

上記の洗い出し条件を適用した結果、66銘柄が該当となりましたので、「時価総額順」で下に載せておきます(2018年10月7日時点の調査結果)。

 

ティッカー 銘柄名 時価総額(億円) PER(倍) 業種
VNM ビナミルク(ベトナム乳業) 11655.49 20.26 製造業[食品・飲料]
SAB サイゴンビール 7085.84 30.61 製造業[食品・飲料]
MSN マサングループ 5239.93 17.92 製造業[食品・飲料]
HPG ホアファット グループ 4358.22 7.17 製造業[鉄鋼]
DHG ハウザン製薬 608.42 20.66 製造業[医薬品]
PNJ フーニュアン ジュエリー 571.01 13.73 製造業[その他製品]
SBT タインタインコン ビエンホア 500.32 18.34 製造業[食品・飲料]
DPM ペトロベトナム化学肥料 367.12 11.88 製造業[肥料]
PAN パンパシフィック 356.22 14.51 製造業[食品・飲料]
HT1 第1ハーティエンセメント 295.6 10.31 製造業[セメント・コンクリート]
KDC KIDOグループ 278.97 -0 製造業[食品・飲料]
BMP ビンミン プラスチック 273.95 11.81 製造業[プラスチック製品]
HSG ホアセン グルーブ 241.97 6.21 製造業[鉄鋼]
TLG ティエンロン グループ 240.77 13.52 製造業[その他製品]
VCF ビナカフェ ビエン ホア 211.19 6.85 製造業[食品・飲料]
TRA チャファコ製薬 178.94 20.42 製造業[医薬品]
POM ポミナ鉄鋼 164.18 4.22 製造業[鉄鋼]
DRC ダナン ゴム 154.96 24.21 製造業[ゴム製品]
DMC ドメスコメディカル 145.27 14 製造業[医薬品]
AAA アンファットプラスチック グリーン環境 144.08 7.76 製造業[プラスチック製品]
DTL ダイティエンロク 140.17 34.24 製造業[鉄鋼]
IMP イメックスファーム 129.62 19.06 製造業[医薬品]
PAC ドライセル&ストレージバッテリー 105.83 19.61 製造業[電気・電子・通信機器]
VIS ベトイ製鉄 102.34 -0 製造業[鉄鋼]
SAM SAMホールディングス 90.61 16.43 製造業[電気・電子・通信機器]
CSM カスミナ 82.34 95.98 製造業[ゴム製品]
TCM タンコン アパレル 80.79 8.2 製造業[繊維・縫製製品]
LIX リックス洗剤 79.88 10.52 製造業[化学]
DHC ドンハイ ベンチェー 69.26 11.68 製造業[パルプ・紙]
OPC OPC製薬 63.15 13.04 製造業[医薬品]
BBC ビエンホア製菓 59.93 12.45 製造業[食品・飲料]
RAL ランドン魔法瓶 56.93 5.5 製造業[電気・電子・通信機器]
TAC トゥーアンオイル 55.34 9.44 製造業[食品・飲料]
VFG ベトナム駆除剤 54.61 5.8 製造業[化学]
TTF チュオン・タイン家具 53.86 -0 製造業[木材加工]
DQC ディエン クアン 45.8 8.77 製造業[電気・電子・通信機器]
CLC カットロイ 42.68 5.47 製造業[タバコ]
DCL クーロン薬品 37.7 18.16 製造業[医薬品]
DLG ドゥックロン ザライ グループ 37.4 26.5 製造業[木材加工]
GDT ドゥックタイン木材加工 36.22 7.6 製造業[木材加工]
TLH ティエンレン スチール 34.47 2.35 製造業[鉄鋼]
EVE エバーピア ベトナム 31.72 10.97 製造業[繊維・縫製製品]
HAI HAI農薬 29.48 -0 製造業[化学]
GMC サイゴン縫製貿易 26.87 7.51 製造業[繊維・縫製製品]
GIL ギリメックス(ビンタイン輸出入貿易) 26.47 3.37 製造業[繊維・縫製製品]
LSS ラムソン製糖 26.17 42.22 製造業[食品・飲料]
SVI ビエンホア パッケージング 25.95 9.17 製造業[包装]
TMT TMT自動車 21.09 -0 製造業[輸送機械]
PXS ペトロベトナム機械設置 20.11 -0 製造業[機械]
HLG ホアンロン グループ 19.27 3.89 製造業[タバコ]
SRC サオヴァンゴム 18.48 17.69 製造業[ゴム製品]
VMD ビメディメックス医薬品 18.34 12.88 製造業[医薬品]
TYA タヤベトナム電線 15.72 4.9 製造業[電気・電子・通信機器]
HMC ホーチミンメタル 14.55 2.88 製造業[鉄鋼]
TPC タンダイフン・プラスチック 13.06 9.7 製造業[プラスチック製品]
LM8 リラマ 18 12.34 37.39 製造業[機械]
LBM ラムドン建設資材 12.18 5.62 製造業[その他建設資材]
L10 リラマ 10 11.63 9.99 製造業[機械]
SCD チュオンズオン飲料 10.49 -0 製造業[食品・飲料]
HAP ハパコ 10.3 8.93 製造業[パルプ・紙]
KMR ミラエ 9.55 18.25 製造業[繊維・縫製製品]
SPM エスピーエム(SPM) 9.51 16.93 製造業[医薬品]
VTB タンビン電子 8.21 8.41 製造業[電気・電子・通信機器]
TIE ティエ(TIE) 4.73 421.92 製造業[電気・電子・通信機器]
LAF ロンアン食品加工 4.67 -0 製造業[食品・飲料]
VPK 植物油パッキング 3.04 -0 製造業[包装]

 

引用元:VIET KABU

https://www.viet-kabu.com/stock/hcm.html

 

ベトナムの将来有望な製造業関連銘柄はどれか

前の章の一覧でベトナム株の製造業関連銘柄の時価総額とPERを洗い出しましたが、次は一覧の中からどの銘柄を購入するか選定しなければなりません。ここからの考え方は人によって大きく分かれると思いますので、私の方針について書いていきたいと思います。

 

先ずベトナムという新興国の株の時点でリスクは高い傾向にあるので、現時点で赤字の企業や時価総額が小さすぎる会社はリスクが許容レベルを超えるくらい高いと感じてしまうため、以下の条件に合致する銘柄は購入対象外と考えました。

 

【製造業関連銘柄でも購入対象外となる条件】

  • 赤字企業である(一覧でPERが0となっている企業)
  • 時価総額が30億円以下の企業である

 

上記条件で20銘柄以上は購入対象から外れるので、残り40数銘柄について調べていけばいいということになります。ではそれらの銘柄の中で将来有望なのはどれかというと以下の条件に当てはまるような企業が該当すると考えています。

 

【製造業関連銘柄で購入対象となる条件】

  • 業績(主に売上、後は各利益)が成長傾向にあること
  • PERが割高水準ではないこと(但し、成長率が極めて高い場合は購入対象とみる)

 

個々の業績についてはSBI証券の外国株式のページから閲覧することが出来ます。例えば、一覧の中で最も時価総額の高いビナミルク(VNM)であれば以下のような情報が見れます。

 

 

逆に言うと個々の業績は個別のページで一つずつチェックしないと分からないので、40数社分の個別情報を全て確認して内容を良く吟味する必要が有ります。

 

次の章からは私がそれらの個別情報を確認したうえで、特に将来有望だと感じた銘柄を数社ピックアップして解説したいと思います。ちなみに以前の記事で解説した銘柄については本記事では省きますのでご理解ください。以前の記事は↓。

 

【ベトナム株の投資戦略】おすすめの安定リターン銘柄やハイリターン期待銘柄

 

お勧めのベトナム株紹介(製造業関連銘柄)

それでは個別銘柄の情報を確認し、私が特に将来有望だと感じた製造業関連銘柄を紹介していきたいと思います。あくまで私が将来有望だと感じているだけですので、参考情報までにとどめていただければと思います。ちなみに前回と同じく配当についてはほぼ考慮していません。

 

しかし調べてみて思ったことはやはり前回紹介した時価総額上位の銘柄は非常に安定して業績を伸ばしている企業が多いので、迷ったら時価総額順に薄く買っていくような投資方法が変な間違いは起きにくいかもしれません。その場合は安定する代わりに手数料分を稼ぐのに時間を要するかもしれませんが。

 

ポミナ鉄鋼(POM)

 

ポミナ鉄鋼は業績面では安定して伸びている企業ではありませんが、鉄鋼関連の製造業としてベトナムの工業化が更に進めば今後も業績が伸びる可能性は高いと見ています。

 

注目ポイントして時価総額は少し大きめですが、PER的には4倍程度とかなり割安なところでしょうか。ベトナムの株式市場が一定落ち着いて業績に応じて再評価されれば、それなりの値上がりは期待できるかなと見ています。

 

2017年12月期は売上の増加率の割に各利益の伸び率は高いので、そろそろ安定期に入りつつあるのかどうかという感じです。

 

イメックスファーム (IMP)

 

イメックスファームは医薬品の生産をメインで行っている企業ですね。業績は安定して伸びており、2018年12月期以降の予想も堅実に伸びていくように見れます。

 

時価総額的には130億円程度とベトナム企業としては若干大きめで、PERも19倍近くありほぼ適正水準です。それでも今後業績が堅実に伸びていくのであれば、合わせて株価も伸びていきそうな銘柄ではあります。

 

ただし、現時点でそれなりの株価水準であり、かつ成長率も予想以上に大きく伸びるようには見えないので、株価の伸び率も比較的緩やかな上昇というレベルに落ち着くとは思います。

 

ドンハイ ベンチェー(DHC)

 

ドンハイ ベンチェーは段ボールや紙パルプ等の生産をしている会社です。業績は凄い伸びているという訳でもないですが、2019年12月期の予想は大幅な売り上げ増となっています(本当にこの数字が出るかは怪しいですが)。

 

時価総額が70億円程度とあまり大きくなく、PERも特に割高感は無いというのと、段ボールや紙パルプの生産というのが今後ベトナムの生活レベルが発展してくれば需要は増大しそうな分野でもあるので、将来性は割と有るかなと感じます。

 

ただ、ここも安定して成長しているかと言われると若干微妙なので、投資先候補としては色々考えた方がいいかもしれませんね。

 

OPC製薬(OPC)

 

OPC製薬は名前の通りベトナムの製薬会社ですね。業績は割と安定して伸びている企業です。

 

時価総額は63億円と比較的小さく、PERは13倍程度と割高感はほぼありません。製薬事業もベトナム政府が掲げている成長戦略の中で「製薬業界の発展」と明言されており、今後も発展が促されていくと思われます。

 

ベトナム株のポートフォリオを組む中で製薬関連の銘柄を入れておきたいといった場合は、本銘柄は割とお勧めできる感じですかね。

 

ランドン魔法瓶(RAL)

 

ランドン魔法瓶は蛍光灯等の照明器具や魔法瓶(保温性の高い容器)とガラス管を製造販売、後は照明の取り付けや修理と保守サービスしている企業です。

 

業績は堅調に伸びている企業であるにも関わらず、時価総額は57億円程度、PERは5.5倍程度と非常に過小評価されている企業に見えます。

 

事業的にも照明器具や魔法瓶、ガラス管等は経済発展と共に需要が伸びていきそうな分野なので将来性は非常に高いと感じています。

 

トゥーアンオイル(TAC)

 

トゥーアンオイルはマーガリンやショートニング、調理油等の製造を行っている食品加工系の企業です。

 

業績は2017年12月期の利益の伸びが凄いですが、イマイチ安定している業績の企業ではありませんね。そもそもそれ以前の利益率が低すぎるのも有りますし。

 

時価総額は55億円程度と小さめで、PERは10倍を下回っており割安感はあります。新興国での食品加工事業自体は伸びそうな分野ですが、マーガリンやショートニング、調理油等の製造が中心というのがどこまで需要が増すのかはちょっと分かりません(ある程度は伸びそうですが)。

 

とは言え、時価総額低めの割安企業ではあるので、多少ポートフォリオに入れておいても良いかもという感じです。

 

ティエンレン スチール(TLH)

 

ティエンレン スチールはポミナ鉄鋼と同じく鉄鋼関連の製造販売を行っている企業です。

 

業績は非常に不安定ですが、売り上げは一定伸びてきているので2018年以降が大きく崩れる可能性は低そうに見えます。

 

本銘柄を取り上げた一番の理由は、時価総額が34億円程度と非常に小柄の銘柄であることと、PERが2.3倍程度と今回紹介する銘柄の中でも群を抜いて割安な銘柄だからです。

 

流石にここまで割安状態であれば一定の見直しが入るだけでも2倍以上は狙えそうなので、長期保有のつもりなら買っておいて損はないかなと思います。

 

最後に

今回の記事は以前のベトナム株おすすめ銘柄を紹介した記事から更に製造業方面へ特化した形の銘柄紹介とさせていただきました。また、前回の記事の反省を踏まえてスクリーニング条件は基本的に緩くして、なるべく一銘柄ずつ業績を見て判断するようにしました。

 

業績予想等については前回同様で私の主観が多々入っているので盲目的に信用するのはお勧めしませんが、実際の数字をベースに記事にしているので異常な解釈をしている個所は無いであろうとは思っています。

 

基本的には以前の記事で紹介した銘柄の方が比較的安全にそれなりのリターンを見込める銘柄が揃っていると思いますが、今回紹介した銘柄はリスクは高いものの想定通りに評価されれば前回紹介した銘柄以上に値上がりするものも多いと思いますので、どの銘柄を選ぶかは個々でご判断ください。

 

後は一覧で上げた企業の中で今回ピックアップして解説しなかったものは多いですが、その中にも掘り出し物的な銘柄が有るかもしれませんので、興味があればご自身でも各銘柄の個別ページをご確認いただければと思います。

 

今回は製造業に特化した記事としましたが、ベトナムはサービス産業も大きく伸びているので、今度はそっちの事業に絞った個別銘柄紹介の記事でも書こうかなと考えています(いつになるかは分かりませんが)。

 

それでは長くなりましたが本記事を閲覧いただきありがとうございました。

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